2019年2月21日(木)埼玉県比企郡小川町(おがわまち)へ向かった。 池袋から東武東上線の急行に乗り約70分のところにある。周りを山に囲 まれた盆地の中にあり、都心より寒さを感じた。

 
 駅前から数分のところに町役場があり、そのわきの三協織物の石蔵が 集合場所、蔵のなかで街の紹介があった。小川町はいまオーガニック野 菜の聖地として有名になっているそうだ。昔は交通の要所で現在の国道 254号線が秩父往還と呼ばれ、秩父方面と江戸を結ぶ通りとなっていた。 絹もこの道から八王子へと運ばれた。江戸時代には六斎市(ろくさいい ち)という1と6が付く日に市が立ち、物流の拠点として大いに賑わった この町も、いまはその繁栄を内に秘めた静かな土地になっていた。 


  石蔵から車で町の南西部にある腰越地区に向かい、山林の材木伐採現 場の視察を行なった。そもそも今回何故小川町かというと、今年3月の お江戸深川さくらまつりの開催に合わせて「川床テラス」がオープンす る。レストランの川面にテラスをつくり、飲食しながら桜を楽しむとい う趣向で、この川床に小川町から切り出した材木を使おうというアイデ アである。小川町の水は、槻(つき)川、都幾(とき)川、越辺(おっぺ)川、 入間(いるま)川を経て、荒川、隅田川へと下り、深川にも到達する。 このような上流と下流の結びつきをもつ小川町で採れた材木が大横川の 川面に置かれるという夢のある計画が実現しようとしている。  
  水が豊かなことから、町内には、武蔵鶴酒造、晴雲酒造、松岡酒造の 3軒の造り酒屋があり、ユネスコ無形文化遺産に指定された和紙(細川紙) もこの町の特産物で、かつて町中には紙屋さんがたくさんあった。

 
  ランチは旧小川小学校下里分校の校舎でオムライスをサラダと一緒にいただ いた。食材はまち自慢の有機野菜を使って作られていた。  
  食後、石蔵に戻り、グループに分かれてまち歩きをした。我々のグルー プは親水公園を目指して歩いた。まち歩きの後、街の魅力や問題点につ いてディスカッションした。そのあとは近くの焼き鳥屋で夕食を取り、 数件の古民家に分散して泊まった。花和楽の湯で一風呂浴びて宿泊場所 に向かった人もいた。私が泊まった「かたおか」は明治16年に建てられ た古民家で太い大黒柱など木材が存分に使われていた。  
   翌日、皆で地元の食材で朝食をとった後、再びまちなかの石蔵に集合した。  
   今回の一泊二日の小川町訪問は、深川の人々が川床に使われる材木を 見に行くというだけでなく、小川町の人々との交流によって、川の上流 と下流の人々の結びつきが期待できる。川床の完成を喜ぶとともに、今後の両地区の交流が楽しみである。
                                                                                                      (理事 庄司邦昭)